いまここ日誌

アジア×アドテク×マネジメント的な3次元ブログ

日本企業の海外進出を失敗せしめる7つの間違い

海外進出って実際にやってみるとすごい難しいものです。かれこれ2年ぐらい失敗だらけといっても過言ではないぐらい。

でも日本企業は海外に打って出ないと未来はない。なので、この1年半ぐらいで学んだShouldn't doと思う7つの事をまとめてみる。お役に立てば幸い。

1. 多くの企業で「暫く黒字化しなくてもじっくりいこう」という損を出してもいいメンタリティが働く

損を出していい事業などない。ましてや市場変化のスピードが速いのにじっくりやってる余裕もない。

2. 事前の調査に凄い時間をかけている。しかも調査は法制面等コンプラ系を調べがちで、事業面のフィジビリは弱い。

調査が終わった頃にはチャンスの窓は閉じている。法制面は専門家に任せれば良い。事業がどうしたらいけるかを理解する方が格段に大事。さもなければコンプラ以前に市場の論理でアウトになる。

3. 2に関連して日系企業の人にしか話を聞かない事が多い。

(ほぼ)単一民族社会で育ってきた我々ジャパニーズは得てして同じ民族の世界に閉じこもりがち。しかしながらジャパニーズは海外ではマイノリティ。マジョリティの意見を聞かずにどうする。

4. トップは日本人でなければならないと無意識で思い込んでいる。

そもそも日本人駐在員のコストは馬鹿にならない。存在するだけで損益分岐点が上がる。新興国ビジネスで日本人のコストを回収するのがどれだけ大変な事か。本社へのメッセンジャーとして日本人を置いておくぐらいなら、ローカルの人材を抜擢する方がましではないか。日本人がトップじゃないと安心出来ないのは、英語が出来ない日本人の怠慢と、軽い日本人が優等人種という妄想と思う。

 

5.日本のビジネスの延長線からスタートする。

日本のビジネス環境は間違いなくガラパゴス。そこの延長線上で思考して、「俺たち進んでるからアジアだったらいけるんじゃね」というと痛い目を見る。特に新興国の人々は日本人向けのハイコストなサービスに払う余裕も無い。現地の可処分所得からコスト構造を作らないと儲かる訳がない。

また海外事業を本社がコントロールしたがる傾向を感じるが、駐在員の身からすると本社の言う事を聞いていればいい状況は2つの意味で最悪。第一に失敗してても本社のせいにできる。第二に自分たちで必死に考える事をやめてしまう。マーケットが違うのだから競争戦略も組織戦略も違って当然。最前線で学びPDCAを回せるように最優秀な人材を投下して、大幅に権限委譲した方がよい。


6. 「海外」なんていうものは存在しないのに、個々のマーケットをよく見ずにマクロでものを見がちになる。

そんな乱暴なセグメンテーションはない。あるのは個々の国、現地の人々、生活である。

7. 成長を求めて海外にうって出るのに、ちょっとだめだと縮小している日本市場に閉じこもる。

日本市場に未来はあるのか?

日本の事業はそんなにすぐに立ち上がったのか?

「海外だから」リスクを過大評価し、チャンスを過小評価して機会を逸してないか?